聞いた話ですが
2025年2月21日 12時00分昔々、と言っても数十年ほど前だと思いますが、菊中の校歌の歌詞に興味を持った当時の教員が作詞者から直接聞いた話です。
校歌の歌詞に、「名石・無宗天・高仙山 緑の山に陽は昇る」とありますね。これ、実は、深い意味が込められているそうです。まず、地図で3つの山を見てみましょう。
(出典:地理院地図(電子国土web)を加工して作成)
何か、気づくことありませんか?
そうです、3つの山は、ほぼ一直線上に並んでいるのです。無宗天山の山頂から見ると、三山の並びがよくわかります。
ちなみに、これらの山はこの辺りでは珍しい安山岩でできており、高仙山の山頂付近の節理は、石垣として人為的に積み上げられたものと見間違えるようなものでした。
さて、話を戻します。冒頭の歌詞に込められた深い意味ですが、『この三山の並んでいる方位から、「緑の山に陽は昇る」日がいつなのかがわかる』ということなのです。名石から無宗天を見ると、真東より少し北に上がっているのがわかります。
北の方に23.4° と聞きましたが、作図上では28° くらいのようです。春分をすぎると、太陽は真東より北寄りから登ってくるようになります。夏至の日まで北寄りに移動した後、また少しずつ東へと戻ってきます。その最も北寄りから登る日、夏至の日は、一年のうち一番昼が長くなる日でもあります。そして、その時の太陽は、真東より23.4° 北に寄った位置から登ってきます。つまり、この歌詞の一節は、
『夏至の日の夜明け前から名石山に登り、頂上から無宗天山・高仙山の方を見てみると、夏本番前の草木が生い茂った緑豊かな山々の頂上の向こうから朝日が昇ってくる。まさに、若さあふれる中学生の前途を象徴するようだ。』
ということなのだそうです。聞いた話ですので、多少のブレはあると思いますが、作詞者の熱き思いを感じられるエピソードでした。
ちなみに、当時は山がきれいに整備されており眺望が効いたのでしょうが、今は山の仕事をする人も少なくなったため、名石山から無宗天山・高仙山をみつけることはできませんでした。三山頂上へのアクセスについては、また時間のあるときにお伝えできたらと思います。